ニ、三日前から海は完全CLOSE。誰も入っていない。
一昨日真夜中に浜まで行くと、暗闇の中で白波がうねっていてぞっとした。波音はどどどどどと、轟いているのになんとなく物静かな様子。海がざっぱざっぱと混ざり合っているからか、浜辺はいつもより生臭い。
月の明るい日は遠くまで見渡せて、自分の影も見えるなか、波打ち際を歩けるほど穏やかであるのに。
育った土地では台風はあまり来たことがない。温帯低気圧になるか、それるかのどちらかであって。
雨戸を閉めて、がたがたそれが鳴る音を聞いて、外は雨風、という夜をまともに経験するのは、もしかしたら初めてではないだろうか。
「ちびまるこちゃん」に台風が来る回があって、子供のころは台風ってどんなかなと想像した。
実際にやってくると思いがけずおそろしい。こうしている今や、自分自身は穏やかなままであるけれども、そうであることが不思議に思えてくる。珍しくテレビを見れば、川は増水し、家々も危うかった。
わたしは家をたてたことがないから、自分が建てた家が雨風にうたれる不安、そして実際の、壊れてしまったり、痛んでしまったりということの苦しみを想像するのが難しい。……。
失われるものが少しでも少なければいいのだけれど。
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